第2回各地のアーバンフォレスト写真コンテストの結果発表

たくさんのご応募ありがとうございました。

広報委員会企画の第2回各地のアーバンフォレスト写真コンテスト <都市樹木>にご応募いただき、誠にありがとうございました。
厳正なる審査の結果、各受賞作品が決定いたしました。

審査講評

1)審査基準
最優秀賞と優秀賞は、
 ①アーバンフォレストの視点の妥当性
  a. 日本の公園、庭園、公共施設や学校、社寺、商業施設等、都市の樹林である
  b. 緑陰効果が高い
  c. 都市景観の向上に寄与している
  d. 歴史がある、または地域に愛されている
  e. 生育に適した整備が施されている
  f. 維持管理状況が良好といえる、管理者が大切に扱っている

 ②推薦理由の説得力

 ③写真の魅力
で上位の作品から選出。

特別賞は先の評価に加え、多方面(地域性や将来性)で称賛に値すると評価された作品から選出。

2)審査員名
   会 長  上杉 哲郎
   副会長  笠松 滋久
   副会長  山下 得男
   参 与  山本 三郎
  事業委員会 宇田川 健太郎
  技術委員会 服部 雅樹
  広報委員会 伊東 麗子

3) 審査講評

第2回目となるアーバンフォレスト写真コンテストに、各地からご自慢の都市景観の写真をご応募いただき、ありがとうございました。今回は都市樹木をテーマとして実施しましたが、公共施設や公園、団地、参道、河川、郊外部の里山などを対象に、幅広く様々なタイプの都市樹木の写真が集まりました。

審査は、アーバンフォレストとして妥当なものかどうか、推薦理由は説得力のあるものか、写真は魅力のあるものか、といった観点から7名の審査員が独自に行った評価を集計する方式で行いましたが、受賞された作品は各審査員から高い評価を得たものが選定されました。受賞された皆様にはお祝い申し上げます。

魅力あふれるすばらしい写真は、都市におけるグリーンインフラとして重要な役割を持つアーバンフォレストの意義を広く社会の皆様に知っていただくうえで、重要な素材になると考えます。

当協会としては、受賞作品などを普及啓発活動にも活用させていただき、協会事業の展開を進めてまいります。

会長 上杉 哲郎

応募作品集スライドショー

審査結果と応募作品一覧

最優秀賞 受賞作品
     副賞 QUOカード 20,000円分

「都心のオアシス」大きな樹冠の心地よい緑陰 

大阪市北区中之島公園(大阪府大阪市)

撮影者: 篠丸 寛(関西支部 東邦レオ株式会社)

中之島公園(大阪府 大阪市北区) 主要樹種:ケヤキ   撮影日:2022年6月12日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

大阪市役所、中之島図書館、中央公会堂などが並ぶ大阪市の中心部にありながらも、緑の豊かさと心地よい緑陰を提供する一角である。
土佐堀川と堂島川に挟まれたこの中州、平日にはビジネスマン達が往来し、休み時間にはリフレッシュの場所となる。休日には観光客を含め老若男女が憩いを求めて集まってくる、言わば「都心のオアシス」である。この緑陰は、日差しが少しきつい日でも仲間達とのコミュニティの場として、素敵で快適な空間を創り出している。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

中之島は大阪市の中心部にありながら、豊かな緑陰と洗練された街の雰囲気を感じられる絶好のロケーションです。背景のビル群からも都心部であることがよくわかります。木陰のあるところを選んで多くの人が歩いている構図はアーバンフォレストを一言で表しており、ヒートアイランドに苦しむ都市にいま必要な緑と言えます。推薦理由に整備の由緒といった緑地の背景の説明があるとなお良いと思われます。

優秀賞 受賞3作品
    副賞 QUOカード 10,000円分

河川改修で移植、
住民の思いが込められた水辺の緑陰

熊本県熊本市 白川緑の区間

酒見 一幸
(九州支部 株式会社森田緑化造園)
白川緑の区間 (熊本県 熊本市)
主要樹種:クスノキ、ムクノキ等 
撮影日:2021年8月7日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

熊本市中心部。白川の拡張に伴い高木を20mほど東側にスライドバックした。そこが緑の区間として整備され、水辺の都市の回廊として美しい風景をかもし出している。週末はマルシェでにぎわうまちなかの貴重なスポットです。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

河川改修事業にあたって地域住民と対話しながら樹木の保存と移植に尽力し、樹木を移植した当時に期待した効果のみだけではなく、賑わいの場の創出という波及効果が表れた好事例です。熊本の人々の緑にかける思いが伝わってきます。どのように保護されたか、どのような維持管理がなされていたかなどの解説と、写真に奥行き感があるとなお良いと思います。


歴史ある人工湖畔のアーバンフォレスト、人々の憩いの場 

熊本県熊本市 水前寺江津湖公園

関 健二
(九州支部 株式会社九州開発エンジニヤリング)
水前寺江津湖公園 (熊本県 熊本市)
主要樹種:クスノキ、エノキ、チシャノキ 
撮影日:2020年7月20日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

熊本市民に親しまれている水前寺江津湖公園です。きれいに管理された樹木の木陰には遊歩道が整備され、湖畔を一周することができます。水辺には多くの湧水があり、ヒメバイカモやキタミソウなどの希少植物が生育し、散策や水遊び、生物観察など人々の憩いの場となっています。その歴史は古く、加藤清正が緑川水系の加勢川を治水のため改築したときに形成された膨張湖で、湖畔の木陰や湧き水で涼をとる人、舟遊びなどで賑わっていたそうです。今では江津湖の周りは市街地住居が密集しており、樹木と水辺の一体化したこの江津湖のオアシスをもとめて、人々はもとより野鳥や都市空間の動物があつまるビオトープ、アーバンフォレストとなっています。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

アーバンフォレストに期待される生態系・環境保全は陸域のみではなく、水域を含めることで多様性がうまれるという応募者の視点に感服しました。推薦文書も丁寧で、歴史的背景まで触れられています。上空からの構図によって都市の中のオアシスであることがよくわかり、都市・緑・湖のすべてがバランス良く収まっていると感じます。人が木陰でくつろいでいるような場面や、もっと大きな木陰などの構図もあれば最高でした。


住民が植樹して45年、自然度の高い雑木林

作られた武蔵野林(東京都板橋区)

有賀 一郎
(関東支部 サンコーコンサルタント株式会社)
作られた武蔵野林 (東京都 板橋区)
主要樹種:コナラ、クヌギ、サクラ 
撮影日:2020年7月1日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

サンシティは、面積12.4ha人口約6000人の集合住宅地で一面の樹海の中に中高層住棟がそびえ立つ。1977年、禿山だった中央の緑地は、住民の手で植樹され、今では自然度の高い雑木林となり、ボランティアのコミュニティ活動の場。発生材は一切ゴミとして出さず、シイタケ栽培など敷地内で活用しリサイクル。この森は、自由に人が関わることで持続する「都市の森」として、「里山」ではなく「町山」と呼ぶ。この住宅地の設計者でもある筆者は、建設当初から約45年間ここの樹々と人々に付き合ってきた。この中で「緑の都市賞」に3回応募し、1983年、1999年には建設大臣賞、2013年には、内閣総理大臣賞を受賞。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

はげ山が45年経過すると森になる、都市の中の森であるのが一目でわかり、植栽基盤および配植計画が十分練られた事例です。コメントにある「町山」という表現もすばらしいです。ボランティアやリサイクルの場となっていることも、現代都市樹木の活用のお手本と言えます。雑木林の内部がどのようになっているのかも気になるところですので、内部からの視点も見てみたいものです。

特別賞 受賞2作品 
    副賞 QUOカード 5,000円分

歴史ある地域のシンボル樹、巨大な緑陰に憩い

兵庫県神戸市須磨区 須磨離宮公園

平賀 耕介
(関西支部 株式会社日比谷アメニス)
須磨離宮公園 (兵庫県 神戸市須磨区)
主要樹種:クスノキ 
撮影日:2022年6月19日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

神戸市立須磨離宮公園にあるクスノキ。前身である武庫離宮の時代からある大木で、馬車道を抜けた先にある中門広場で来園者を迎えてくれる。広場に隣接しているため、水平方向に長く伸びた枝を眺める方や、常設された縄跳びを使って遊ぶ子ども等、多くの方がその緑陰に集まる。条例の定める「市民の木」に指定されており、剪定に関しては所有者により定期的に維持管理がなされている。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

長い年月を生き続けてきた街なかの巨樹として、このクスノキの魅力を、奇をてらわずに正攻法で捉えた作品です。真夏を彷彿させる空のコントラスト、樹冠下の木陰に人が歩いているのも良いです。維持管理においても所有者の気遣いがあり、単木の都市樹木として優秀だと感じます。須磨離宮公園は広大な樹林地を含む公園であり、シンボルとしてのこの樹木は立派ですが、都市感がなく、単木という点がアーバンフォレストの視点としては少し惜しいところです。


30年を経た屋上緑化、「都心の山」景観

福岡県福岡市中央区  アクロス福岡ステップガーデン

能勢 彩美
(九州支部 内山緑地建設株式会社)
アクロス福岡ステップガーデン (福岡県 福岡市中央区)
主要樹種:ナナミノキ、スダジイ、ハゼノキ 
撮影日:2022年6月19日

【撮影者コメント】 (クリックでご覧いただけます)

福岡市中央区天神にある「アクロス福岡」は、1995年にビジネス・商業ビルとして建てられた。14階建てビルの南側が階段状の斜面(ステップガーデン)となっており、各階は屋上緑化(総面積約5400㎡)である。南側から一望すると山のように見えるため「アクロス山」と呼ばれ、年間1万人以上が屋上展望台まで登頂する。また市街地と比べステップガーデン内は気温が最高3℃低くなるため、ビジネスマンの休憩の場でもある。階段状の構造のため、一般の方がなかなか観察できない高木樹冠の花や実を観察することができる。動物散布や風散布された実生木も切除せず育てられており、竣工時に76種だった植物は現在200種を超える。

【審査コメント】 (クリックでご覧いただけます)

建物を階段状に緑化したユニークな事例であり、屋上緑化がここまで成長し維持管理されているのがすばらしく、アーバンフォレストと呼ぶにふさわしいです。「登頂」という言葉通りに山頂から下界を見下ろしている人の姿がおもしろい作品です。写真からは利用者が多いことが感じられますが、緑陰に関しては若干伝わりにくかったようです。

応募作品

広報委員会より

全2回のアーバンフォレスト写真コンテスト(街路樹・並木の部および都市樹木の部)を企画させていただきました。

応募いただいた写真は第1回では18作品、第2回では20作品となりました。

応募者、審査員の皆様には、ご協力いただき誠にありがとうございました。

広報委員会として至らない点もありましたが、会員の皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

皆様からの応募作品は、ホームページへの掲載などにより、協会が目指すアーバンフォレストのイメージとして広く情報発信することにつなげていきます。また、地域貢献活動として、アーバンフォレスト写真集も作成し、そこに掲載する予定です。

引き続き、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。